開催が揺らぐ中ですが、坂本龍一さん、後藤正文さんからいただいたメッセージをお伝えします。

 

僕たちを取り巻くマチ自体がひっそりと息をひそめているようです。

コロナウィルスに向き合う中で、ちょうど2週間後に予定している、日比谷公園での「311未来へのつどい Peace On Earth」の開催も揺らいでいます。この今の雰囲気に、311東日本大震災からの日々を思い起こしている人も多いと思います。

311東日本大震の時には誰もに放射能への不安がありましたが、今は何処にあるかわからないウィルスの不安が私たちをとらえています。そしてこれが、私たちと社会にどれほどの害をもたらすものなのかもまだよくわかりません。

ピースオンアースの開催も揺らいでいますが、

先の投稿での南相馬よつば保育園 近藤能之さんの言葉「(原発事故から)まだ20年経ってないから、大丈夫とは言えません。」のとおり、9年が経つ放射能の被害もまだその全体はわかりません。今回のウィルスの不安が払拭されるにもこれから時間が必要です。そしてそこでは、震災からの9年に向き合って学んできたことも役立つように感じています。

「311未来へのつどい ピースオンアース」には、世の中と向き合う役割もあると感じながら毎年を進んできました。今回のウィルスへの対応については、しっかりと世の中の動きを見守り、私たちの心を感じ合い、仲間と話し合って確認していきたいと願っています。
今しばらく、私たちの発信に注意を向けていただけるよう、
どうぞよろしくお願いいたします。

事務局長 鈴木幸一

 

2週間前に。坂本龍一さん、後藤正文さんからいただいた言葉をお伝えします。
メッセージをいただいてからの2週間で世の中が大きく動いていますが、お二人の言葉は今の私たちに、深い思考をうながし、希望を感じさせてくれるように思います。

今回お二人はピースオンアースに出席されませんが、
ここから1年後、震災10周年を迎える1年間のスタートに、ご縁ある方から言葉をもらいたいと思ってメッセージをお願いしました。

さまざまな対応の中で遅くなってしまい申し訳ありませんが、ぜひお二人の311ピースオンアース開催へのメッセージに触れていただけるようお願いいたします。

 

2011年のあの日、自然の巨大な力に驚愕しながら、僕は自然の声を聴くことを忘れていたことを、大いに反省した。それ以来、努めてその声を聴こうとしている、折々に月を眺め、風を感じ、雲の流れをしばし見つめる。しかし、それだけでは足りないのだ。

先日、沖縄の辺野古基地建設現場を見に行った。現場を見る前に、土地の人にたっぷり大浦湾の珊瑚など、生物種を見せてもらった。その自然の豊かさに比べて、人間の愚かさ、醜さ、儚さがあまりにも対照的で、深く感じるところがあった。

人間のやることは、自然から大きくそれてしまった。今や人間の軍事力が地球を何度も破砕できるだけではなく、その産業と経済システムが地球を破壊できる程になってしまった。この惑星を搾取し続ければ、自らの居場所もなくなることが分かっているのに、そこに突き進んでいる、愚かな猿が私たちだ。

坂本龍一
2020年2月10日

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2011年の3月11日は、自分の無力を思い知らされた日として、一生忘れられません。
あれからずっと露わになり続けている僕たちの社会の貧しさは、それ以前の僕たちの暮らし方の答え合わせだと思います。
それでも「僕たちは無力だ」と放り出さずに、少しずつの明かりを持ち寄って、未来を照らすような集いになることを願っています。

後藤正文
2020年2月10日

上の坂本龍一さん、後藤正文さんの写真は、2012年3月11日の日比谷公園での「311東日本大震災 市民のつどい ピースオンアース」でのものです。

 

 

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やがてまた直ぐに、皆さんと笑顔で集える日が来ることを願っています。